恋色シンフォニー
一方の三神くんは、定時で帰る男として有名だ。
販促部はほぼ内勤だから、移動時間もないし、スケジュールも立てやすい。

私と三神くん、部署は違えど職位は同じだから、給料は同じ。

いや別にね、仕事の価値は給料じゃないと思ってはいますけどね。

時給換算して比べたら、怒り狂いそうになると思って、していない。

「綾乃ちゃん、そんなに睨まなくても」
隣の席の先輩、玲子さんが苦笑している。
「え、あたし睨んでました?」
「今日は水曜日でノー残業デーなんだから、大目に見てあげたら?」
「奴は毎日がノー残業デーみたいなものじゃないですか!」
「まあねぇ。ま、私たちもたまには早く終わりにして、ごはんでも行きましょ」
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