恋色シンフォニー


というわけで、商品部の女子3人で会社近くのメキシコ料理店にやってきた。
玲子さんと、後輩の渚ちゃん。

「綾乃さんは、三神さんと同期なんですよね?」
タコスを頬張りながら、渚ちゃんがきいてきた。

「うん」

「早く帰って何やってるんでしょう?」

「知らないわよ、プライベートなんて」
興味ないし。

「彼女が待ってるんだって」
と、玲子さんがファヒータをトルティーヤに巻きながら言った。

「えぇっ⁉︎」

「綾乃ちゃん、驚きすぎ。不思議じゃないわよ、三神君に彼女いても」

「草食系っぽいのに……」

「あのぅ、わたし、この前の健康診断で三神さんがワイシャツを脱いだときに、見ちゃいました……」

おとなしい渚ちゃんがおずおずと発言し、私と玲子さんはじっと渚ちゃんを見つめる。
何故か顔が赤い。

「こ、ここらへんに……」
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