さくら、ひらひら。
「そんな顔、しないの!梓の事、大好きだよ?笑った顔が」

ポンポン、と頭をなでると、ふにゃっと泣きそうな、それでも温かい笑顔を見せてくれた。
梓から、アルバムを受け取る。

「さ、他の人にも書いてもらおう!」

色々な人のもとへと足を運んではメッセージを書いてもらう。

私の受験はまだ続く。
けれど、今日この時ばかりは。
少し位、この感傷に浸ったってバチは当たらないだろう。

まっさらだったアルバムの最後のページは、あっという間にカラフルに彩られて埋め尽くされていく。

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