さくら、ひらひら。
「梓、私ね、小泉くんの事好きだったよ」

書き終えた卒業アルバムを手渡しながらきっぱりと言う。

「梓が、小泉くんの事好きなの知ってたよ。先輩に振られて、恋に臆病になってたことも。私も、梓の気持ち知ってたし、性格もわかってるつもり。だから、何にも言えなかった。梓にも誰にも言えなくてずっと苦しくて、でも……。今なら言える、かな」

ざわざわと騒がしい教室では、誰も私たちの話など聞いていない。

「小泉くんが、好き…だった」

にっこりと笑って言うと、梓の瞳が少し震える。

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