婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「瀬崎さん!」
後ろから声をかけられ振り向くと、先ほど別れた恵梨香ちゃんがお友達二人を連れて立っていた。
「あっ 恵梨香ちゃん…」
「あっ 君… この前協力してくれた子だよね? あの時はありがとね。」
圭司が恵梨香ちゃんを見て、思い出したように言った。
「あ いえ そんな… 私達も、あの室長のことは許せませんでしたから… 瀬崎さんが可哀想過ぎました…」
そう 恵梨香ちゃんは、私が受けたパワハラを圭司に証言してくれた一人だった。
「いや ホント感謝してるよ 今度、改めてお礼させてもらうね。あっ 良かったら駅まで車乗ってく? 外、雨降ってるし…。」
圭司の言葉に後ろにいたお友達の目が輝いたけれど、恵梨香ちゃんは私に悪いと思ったのか首を横に振った。
「いえいえ 先輩の旦那様にそんなこと…」
「恵梨香ちゃん 遠慮しないで乗っていきなよ。今日は大事な合コンなんだから、せっかくの可愛い服が濡れたら台無しじゃない…」
私がそう言うと、ようやく恵梨香ちゃんは頷いた。
「はい では、お言葉に甘えちゃいますね。」
こうして、私達は恵梨香ちゃん達を連れて、駐車場へと向かった。
『あの人、凄く格好よくない?』
『うん 仕事もできそう…』
『今日の合コンにも、こういうハイスペックの人、くるといいね。』
恵梨香ちゃんのお友達達が、後ろを歩きながらヒソヒソと話していた。
自分の旦那さんを褒められて悪い気はしないのだけど、そんな圭司に釣り合わない自分がちょっと悲しくなる。
車が見えてきたところで、突然、恵梨香ちゃんの携帯が鳴り出した。
「はい もしもし あ 先輩ですか? えっ… あっ はい そうですか… いえ 大丈夫です では また今度」
電話を切った恵梨香ちゃんは、がっくりとうなだれた。
「恵梨香ちゃん?」
後ろの二人も心配そうに恵梨香ちゃんを見ていた。
「ごめん! 今日の合コン、向こうの都合がつかなくなってキャンセルされちゃった…」
恵梨香ちゃんは、両手を前に合わせながらそう言った。
「えー! うそ~」
「そっかあ… でも、うちらはいいけど、茜がショク受けそう… あの子、桜商事との合コンの為にエステまで通ってたみたいだから… それに、茜の会社の女の先輩二人も来るんじゃなかったっけ?」
「そうだった… じゃあ 今からでも代わりの男の子探す?」
「無理でしょ… それに、桜商事ほどの会社の人達なんて、そうそう捕まらないだろうし…」
予期せぬハプニングに、頭を抱える三人…。
「あの 瀬崎さん こんな状況なのでやっぱり送って下さらなくて結構です… お騒がせしてスミマセンでした…」
「恵梨香ちゃん…」
私に頭を下げる恵梨香ちゃんが、なんだか気の毒になる。
たかが合コンだけれど、この子達にとってはきっと死活問題なのだろうから…
「うちの会社の後輩で良ければ紹介しようか?」
圭司の言葉に、恵梨香ちゃん達が一斉に振り返った。