婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

そして、圭司が連れて行ってくれた『子宝の湯』…
ここは、昔、お父様がお母様を連れて泊まった宿で、たまたまめぐりあった露天風呂なのだそうだ。

お母様は半信半疑だったようだけれど、翌月には見事その御利益にあやかった。

だから、圭司は願かけのつもりで、私を『子宝の湯』へと連れて行ったのだそうだ。

こうして、私が無事妊娠できたのも、全て圭司とお母様のお蔭だった。

『なつ おめでとう 今度はあなたが、お腹の子の命を守ってあげる番よ いいわね』

お母様に言われた言葉を噛み締めながら、私は覚悟を決めた。

「私ね 仕事は、もう辞めようかと思ってるんだ。」

「えっ!」

圭司は驚いた顔で私を見た。

「それは、産休とかじゃなくて… 退職するっていう意味?」

「うん。」

「なつは、それでいいの? まあ 確かに産休に入るまでは俺も心配だし、なつが仕事を辞めてくれた方がよっぽど安心できるけど… ずっと、憧れてた仕事だっただろ? 本当にいいのか?」

圭司は私の本心を探るかのように、まっすぐに見つめた。

「うん いいの この仕事には十分満足できたから… それに、私の代わりに仕事をしてくれる人なら他にいるけれど、この子の母親は私だけしかいないから… ほら 私ってひとつのことしか出来ないでしょ だったら私はこの子を守りたい。」

「そっか。」

圭司は優しい顔で頷いた。

「それと今の仕事じゃ、圭司と休みを合わせるのが大変でしょ 有給だって限りがあるから。ちゃんと、三人でお出掛けだってしたいもの… 遊園地とか動物園にも行きたいし、授業参観とか運動会だって参加したい それから…」

「ハハハ もう 分かったよ」

そう言って、圭司は私を抱きしめた。

「とにかく私は三人で…」

「幸せになりたいんだろ?」

圭司の言葉に、私は笑顔で頷いた。

「そう、たくさん騒いで賑やかにしてあげるから…」

「楽しみにしてる…」

圭司はクスッと笑って、私の唇にキスをした。


 [完]



ここまで読んで下さった方、半年近く更新を追いかけて下さった方、本当にありがとうございました。

ダラダラとした更新で、申し訳なく思いながらの半年間でしたが、ようやく完結を迎えられてホッとしています。

また、その後のストーリーもちょこちょこ書いていけたらいいな~と…
子育て奮闘中のなつと圭司をイメージ中です。

また、その時は読んで頂けたら嬉しいです(*^o^*)

長い間、本当にありがとうございました。


                 桜 サク
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