婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「なつ 信じられないかもしれないけど、俺はあの夜 なつを思い出したんだよ。」
「えっ 記憶戻ったってこと? え でも…」
「あ いや 記憶が戻った訳じゃないんだけど、なつのこの甘い匂い…俺 覚えてたみたいでさ…ベッドで眠るなつから、ふわっとこの香りがした瞬間、思わずなつを抱きしめてた。
その時、気づいたんだよ 俺がずっと大事にしてきたのは、間違いなくこの子だなって… 俺は、なつが愛おしくて、朝までずっと手放せなかった。だから あの夜 俺が抱きしめて寝てたのは、芹香じゃなくて、なつなんだよ…。」
圭司の言葉に胸が熱くなった。
そして それと同時に、すーと胸のつっかえが取れて、心が軽くなっていった。
「うん 信じるよ。 圭司…。」
圭司の胸の中で、私はそう呟いた。
「でも よく その携帯 俺に見せたね…そこまで隠してたんなら、ずっと 隠しとけば良かったのに…。」
圭司はクスッと笑いながら私に言った。
「だって 芹香さんのこと、ちゃんとはっきりさせないと、この先 色んなこと疑っちゃいそうだったから。本当は、私のこと芹香さんの身代わりにしてるんじゃないか…とかね!」
「あー それだけはないから安心していいよ そもそも なつは芹香に似てるけど、中身は何ひとつ似てないよ…。確かに初めは俺も、自分がなつを芹香の代わりにでもしたのかと疑ったけど…あり得ないって、すぐ気づいたから…」
「そうなんだってね 私は、おちょこちょいで
危なっかしくて、その上、世間知らずで…騙されやすくて? しっかり者の芹香さんとは似ても似つかないらしいからね。」
ぷくっと膨れる私を見て、圭司が可笑しそうに笑った。
「へえ~ よく分かってるね 誰かに言われたの?」
「圭司だよ!」
「はは そっか でも 俺はそんななつが可愛くて仕方ないけど… 俺って なつみたいなタイプに弱いんだな きっと…。」
「うん 知ってる…。」
私は、にっこり微笑んで、圭司の唇にそっとキスをした。