政略結婚に隠された真実
ふと、冷静に見てみると、俗に言うイケメン…。

いや、イケメンで終わらせてもいいの?って思うくらいカッコイイ。
みんなが振り返るだろう容姿に、落ち着きのある声。

今日着ている服だって、オシャレに着こなしている。
それに、シャツやスラックスには、皺のひとつもない。

車だって、ウチにあるやつより良いやつ?なのかしら?



・・・この人、一体何者なんだろう?



”普通の男性とは違う雰囲気”、
”両親は喜ぶが、本人の意思のない結婚=政略結婚”、
”碓氷”、って・・・
もしかして、あの碓氷・・・?


ううん、それはあり得ないわ。あの碓氷のはずがない。
日本トップの碓氷コーポレーションなんかと、うちの会社が提携して傘下に入ったって、ウチには良くても、逆は何も特にならない。
政略結婚だったらもっと良い条件の令嬢はたくさんは居ないが、確かにいる。
ウチと同じぐらいの企業で、碓氷って苗字あったかしら?

それにイケメンなんだし、彼女ぐらい居るんじゃないの?別に私、驚くほど可愛いわけじゃないし。



う~ん…っと色々考えていると、車が止まった。
顔をあげると可愛いカフェに到着していた。

プロヴァンス風な外観で、お店の中もとっても可愛くて、男性は居づらいんじゃないかと思わせる様なカフェ。

「・・・(わぁ!すごい可愛いッ!!オシャレーッ!!)」
声には出さないけど、心の中でめちゃくちゃ感動した。


店内に案内され、ランチを注文した。
大翔は落ち着いていたが、愛梨は店内をキョロキョロ。

「ここ、有名なカフェらしいけど、来たことあった?」
そう言われて、来たことないです。と首を振りながら答えるだけ。
大翔は、そうなの?と言うぐらいで、それ以上話してこない。


わぁ~わぁ~外観も外国風で可愛いし、店内も可愛くて、ここは瑠依に教えてあげなくちゃ!!
「・・・素敵なお店~・・・」
ボソッとつぶやいてしまったのが聞こえたのか、大翔は嬉しそうに言った。
「気に入ってもらって嬉しいよ。女の子はこういうところ好きだよね。」
「・・・・・」
可愛いカフェで、おいしいランチ。ウキウキしているはずなのに、微妙な気分。

たぶん友達と来てたり、大好きな彼氏と来てたらすごく美味しく、楽しく食べれていたと思うけど、大翔と一緒だと言う事で、ほとんど会話が無く、味気ない食事となってしまった。



僕のこと知ってほしいって言ってたんじゃないの?
しゃべらなきゃあなたがどんな人か私は分からないよ?
まぁ、別にいいけど。しゃべらないならしゃべらないで。

・・・というか、私が話しかけられてもほとんど返さないから、会話が無くなってるんだろうけど・・・。

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