秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
彼は既にネクタイを締めて、スーツのベストとズボン姿。


私は一旦部屋に戻って着替えなきゃ、そうだ今の内に栗原さんに連絡しておこう。

私はスマホを撫で、秘書室の室長である栗原さんにメールを送った。


「相手は永遠さん?」

「違います。柾貴さんのお父さんですよ。このままの恰好では出社出来ませんから・・・一旦部屋に帰ります」

「それもそうだな。近くなら送ってあげようか?」

「え、あ…大丈夫です」

「遠慮しないでよ。昨日、肌を交わした仲だろ?」

「…やっぱり私達・・・」

「小池さんって酔うと絡むし、泣くし、挙句には襲うんだよ。悪酔いもいい所だ」

永遠さんの時は自分で服を脱いで誘ったと言われたけど、今度は柾貴さんを襲ったのか・・・

「私…お嫁に行けない」

二日酔いとは別の痛みが頭をズキズキさせた。


「冗談キツ過ぎた?」

「冗談なんですか?」

「俺、そこのソファで寝たし・・・」

柾貴さんはリビングのソファを指差した。ソファには枕とキレイに畳まれた毛布が置かれていた。

「でも、ドレスは・・・」

「せっかくの綺麗なドレスがシワになったら困ると思って脱がした。でも、絡んだのと泣いたのは本当だから」



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