秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
「水と油か・・・」


「本当に申し訳有りません」

「謝罪はいいよ。これですべてチャラだ・・・」

柾貴さんは私の後頭部に右手を回して顔を近づけた。

乾いた彼の唇が私のグロスたっぷりの濡れた唇と重なる。

彼は舌を私の唇に割り入れて濃密なキスを求めたが、急に痛そうに眉を顰めて離した。


「口の中も切れてるみたいだ」

どうりで鉄錆の味がしたワケだ。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫」

彼は唇に付いた私のグロスを手の甲で拭った。


「俺、戻るよ」

「その顔で?」

「仕方がない。それよりも別れたら、教えてくれ。俺、小池さんの次の彼氏になるから・・・」

「ま、待って下さい!?柾貴さん?」

柾貴さんはヒラヒラと手を振ってパウダールームを出て行った。



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