秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
「永遠・・・」


東京ってやっぱり狭いーーー・・・


俺の目の前を香音と柾貴が通り過ぎた。

二人は俺の姿に気づかない。


人が沢山行き交う雑踏。

俺だけがその世界から切り離されたかのような錯覚を見る。


俺と愛は双子なのに、父さんは後継者となる俺には厳しかった。


泣き虫だった俺を強くしたのは父さんの期待だった。



母さんの言う通り、俺は自己を犠牲にしている。

それは全て父さんの期待に添う為。


もうすぐ、俺は『星凛堂』を退社して、自分の居るべき場所に立つ。


俺はその為に香音を犠牲にした。

一瞬は彼女を選んだが、最後は自分の保身を選んだ。


元々、水と油だった俺達だ。


別れても、仕方がない。



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