秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
《20》事後報告

香音side~

季節は廻り、冬から春へと移り変わる。


隅田川の桜並木も満開となり、畔はピンク色に染まっていた。


「ここに来るのは3年振りだな。辰真」

「プライベートでは顔を合わせてるが・・・社長室で会うのは久方ぶりだな。頼」


私は初めて永遠さんの父親・神宮寺頼(ジングウジヨリ)社長と顔を合わせた。


「どうぞ」


私は緊張でガタガタとカップソーサー震わせながら、神宮寺社長の前に置いた。


「新人秘書か?」

「彼女は秘書歴2年目の小池香音さんだ。頼」

「ふうん」

「神宮寺社長とは初めてお会いするので緊張しているだけです」


「2年目か・・・では、うちの息子と共に仕事をしていたのか・・・」


「まぁ、そう言うコトだ」


神宮寺社長は脇に立ち、黙って控える永遠さんを一瞥した。

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