秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
私と佐藤さんを会わせようと言う魂胆が見え見え。

「本当にマジで嫌な男・・・」

私は書類を右手に持ち、社長室を出て行った。淡いベージュの幾何学模様の絨毯が敷き詰められた廊下を歩き、エレベーターホールへと向かう。


「あれ…怒ってる?」

丁度副社長が栗原さんを連れ添い、外出するところだった。

「いえ、副社長外出ですか?」

私は怒りの露わにした表情を一瞬で隠し、口許に笑みを湛えた。


「原因は永遠か?」

「いえ」

同じエレベーターへと乗り込んだ。


「何処に行くの?」

「5階のマーケティング部に書類を届けに行きます」

「そう」

私は5階で降りて、二人はそのまま地下の駐車場まで降りていった。

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