秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
マーケティング部は電話や人の声、パソコンのキーを叩く音と様々な音で賑わう活気づいた場所だった。


私はマーケティング部の責任者・早瀬部長に書類を渡す。

佐藤さんの姿はフロアになく、ホッと胸を撫で下ろす。

佐藤さんは麻生さんと同じハーバード大学経済学部卒のエリート。
私はフロアを出て、エレベーターホールに戻ろうと歩いていた。

「小池さん」

訊き慣れない低い声が私を呼んだ。

振り返ると相手は佐藤さん。


「社長秘書の小池さんが5階フロアに居るなんて珍しいですね」

「早瀬部長に届ける書類があって」

「へぇーそうなんですか・・・」

「忙しそうですね・・・」

「新商品のマーケティングで連日…都内を回っています」

「大変ですね」

「今度の社内旅行・・・小池さん達もBグループでしたね。俺達もBです。どうです?一緒に自由行動回りませんか?」

「え、あ・・・そうですね」

「本当にいいんですか?」

「まぁー」

「小池さんとの自由行動を楽しみに待っています!」

佐藤さんは喜びで舞い上がり、私の右手を掴んだ。

「さ、佐藤さん!?」

「あ…すいません。つい嬉しくて・・・」





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