ライ・ラック・ラブ

「お嬢様。言われたことを受け入れると、信じることになるんです。だから、社長や小原さんが言ったことを受け入れないでください。“違う”と思った、ご自分のその気持ちを、尊重して、受け入れてください」

そう言うのは容易いけれど、実際そう思えるまで、時間はかかると思う。
でも、それが当たり前にできるようになれば…私の心は、強く、しなやかに成長するだろう。

何より、佐久間さんがさっき言ってくれた「俺にとってあなたは、世界で一番美しい女性です」という言葉を、お世辞としてではなく、賛辞として心から受け入れ、信じることができるはずだ。

私は「ええ」と返事をすると、ニコッと微笑んだ。