ねぇ、好き?
ある日――…


仕事を終えた私は会社を出て、駅に向かう。

その途中。


あれ?

あそこにいるのって……


「阿部?何してるの?」


オープンカフェのテラスで一人、コーヒーを飲んでいる阿部がいた。


「えっ?あぁ、須賀か」


いきなり声を掛けられ、阿部は一瞬ビクッとしたが、私の方を見て、


「彼女の仕事が終わるのを待ってる」


と、嬉しそうな表情を見せる。


「彼女かぁ、いいな……」


幸せそうな阿部を羨ましく思った私は、無意識に呟いていた。

崇と別れる前の状態を思うと、付き合っている相手がいるからって幸せとは限らない、と思うけど。

だけど、阿部を見ていると、

“好きな人と一緒にいられる事って、幸せなんだろうな”

そう思えてくる。

そして、

“相手がいたらな”

って、思う。

それが、好きな人“佐々木”なら……

でも……


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