カリスマ社長に求婚されました
いきなり奈子さんの名前も出てくるわで、動揺で鼓動が痛いくらいに速くなる。

「ムキになるってことは、知ってるんだな。あのふたりの関係。優一も、今さらなんで元カノとタッグ組むんだろうな」

挑発的な言い方で、蓮士さんはいったいなにが言いたいんだろう。

優一さんと同じくらいに男前な人だけど、性格はまるで真反対の最悪だ。

「蓮士さん、離してください。私は業務中ですから。それに、優一さんのプライベートは、蓮士さんには関係のないことです」

初対面の人にここまで言うのは、かなり勇気がいる。

自分でも足が震えているのが分かるほどだ。

すると、蓮士さんは表情ひとつ変えず涼しい顔で私の腕を離した。

「オレと優一と、奈子や柊也たちは同じアメリカの大学に通ってたんだよ」

「えっ？」

そんな繋がりがあったことに驚きだけど、それなら優一さんと奈子さんの過去を知っていることには納得だ。

「そのあと、オレと優一はアメリカで実務経験を積んで、MBAの資格をとったんだ。あの頃から、お互い相容れないほどのライバルなんだよ」
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