カリスマ社長に求婚されました
そうだ、いつか彩子さんから聞いたショップの店員の話もしてみよう。

優一さんの手を借りたくなかったから、内緒で考えていこうかとも思ったけど、また優一さんの気持ちを振り回しそうだ。

今夜は、パーティーのあとで疲れているだろうし、タイミングを見て言おう。

「優一さん、なんかホッとしたら喉が渇いちゃった。ミネラルウォーターをちょうだい」

抱きしめられている体を離すと、側にあるダイニングテーブルに置かれたペットボトルに目を向ける。

すると、優一さんはそれを手に取り、自分の口に含ませた。

「優一さん……?」

口角をあげて微笑む優一さんは、私に顔を近づける。

「えっ! ま、まさか……」

口移しをするつもり⁉︎

優一さんはさらに目を細め、楽しそうに私の顎を引く。

恥ずかしいなんてものじゃないくらいで、顔が熱くなってくる。

だけど優一さんを前に、目を閉じ口を開くと、冷たい水が入ってきた。
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