カリスマ社長に求婚されました
「冷めた目ですか……。だから、優一さんに対しても、どこか挑発的なんですか?」

優一さんも、蓮士さんとは見ている方向が違うみたいなことを言っていたっけ。

「いや、そういうわけじゃない。オレは、優一みたいに感じよく接するのが、単に苦手なだけだ」

と言った蓮士さんは、苦笑いを浮かべているけど、それすらも不敵な笑みに見えてしまう。

だけどそこに、悪気があるわけではないということなのか……。

「数年前のことだけど、オレは優一にあいつの仕事は夢を売るだけの仕事だと言ったら、激怒されたことがあるんだ」

「あの優一さんが激怒ですか? なんだか、想像がつかないですけど」

怒ると怖いことは、私もつい最近知ったけど、激怒だなんて意外……。

優一さんでも、怒鳴りつけたりするのかな。

「けっこう怖いところもあるよ。どうやら、夢を売るだけっていうのが気に障ったらしい。単に、覚めるような夢を売るんじゃないと。コンセプトは、永遠の愛だもんな」

「えっ?」

『永遠の愛』?

その言葉に引っかかり、蓮士さんに聞き返そうとしたとき、ドアが開いて優一さんが戻ってきた。
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