カリスマ社長に求婚されました
「ちょっと、蓮士さん離して!」

優一さんとは違うスパイシーな香りのする蓮士さんの胸を、押し返して抵抗しようとしても、私の力は簡単に抑えられてしまう。

むしろ、より強く抱きしめられて困ってしまった。

「騒ぐな。優一の顔に、泥を塗ることにもなるだろ?」

「卑怯です、蓮士さん。こんなことをしたって、私の気持ちはなにも変わりませんから。離してください」

「離さない。どんな出会い方でもいいから、優一より先に出会いたかった」

蓮士さんは私を抱きしめて、髪に顔を埋める。

だけど私は、どうやって体を離せばいいのか、そればかりを考えていた。

「蓮士さんは、優一さんへの対抗心で、私に興味があるだけです。本気で好きなわけじゃない」

「なんで、そんなことが分かるんだ? オレは、芯の強い女が好きだ。だけど、可愛げのない女には興味がない。茉奈ちゃんは、じゅうぶんオレのタイプだけど?」

いっこうに離す気配のない蓮士さんに、私は焦りすら感じながら、とにかく押し返していた。
< 243 / 287 >

この作品をシェア

pagetop