好きって言っちゃえ

「良く聞きなさいよ。舞は、自分が早くに死んでしまった場合、自分も悲しいけど、残された家族がかわいそうだから結婚できないんでしょ?」

「うん、まぁ」

「で、平野くんは多額の借金抱えてるから、そんな男は結婚出来ないって思ってるんでしょ?」

「うん、そうみたいよ」

「と、いうことはぁ、舞と平野くんが結婚した場合、今健康な舞が生命保険にたっぷり入っておけば、舞が若くして死んだら、多額の保険金が夫である平野くんに入って、そのお金で平野くんは借金の返済が出来るじゃない。
借金無くなるんだから、平野くんは全然かわいそうじゃなくって、むしろ、喜ばしいことで、舞の死は夫に幸福をもたらしてあげられるんだから、自分の死を悲観して悲しむ必要もない」

「…」

「まさに、これ以上ない、ベストカップル!」

「なんか、それって平野くんだけ得してない?」

「そんなことないわよ。生きてる間は舞がストレス溜めずに平野くんに言いたい放題言って生きていられるんだから、短い人生快適に生きられるのよ。最高じゃない」

「…そ、そうかな」

「そうよ。舞が言い難かったら、私から平野くんに言ってあげようか?このベストカップル理論」

「言わなくていいっ」

「そう?」
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