好きって言っちゃえ

京極写真館の3階にある8畳の畳敷きの居間の真ん中にテーブルが置かれ、その上に、天ぷら、刺身、エビチリにパスタと、多国籍の料理が並べられている。そして台所の方から、舞に支持する悦子の声がする。

「お皿、出した?あ、コップ足りてる?あ、ビール冷えてるわよね?」

「お皿もコップも出しましたぁ〜。ビールは昨日から冷えてます」

舞は、やたらと指示する悦子にムッとしながらも、いつものことと、言い返すことはなく、冷蔵庫からビールを取り出し、居間のテーブルへ運ぶ。その時、入口のドアが開いて、剣二が二人に声を掛けた。

「お疲れ様です。こっち、終わったんですが、もう、入っていいですか?」

「いいわよ〜。入って入って」

大皿に唐揚げを大量に盛りながら、台所から、悦子が答えた。悦子の返事を聞くと、剣二を先頭に、

「お邪魔しますっ」

と、写真館の社員達が全員ぞろぞろと居間に入ってきた。

「お疲れ様。狭いですけど、好きなとこ座って」
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