好きって言っちゃえ

舞は、テーブルの所々に冷えたビールを置きながら、立ち尽くしてる男たちに言った。すると、空かさず、剣二が上座の真ん中辺りを指さした。

「そうだな。とりあえず、会長に、ここに座ってもらうことにすると、こっち隣りが俺で、そっちがチーフだな。ま、後は、向こう側にテキトーに座ってくれ」

剣二が最初に座ると、

「うぃっす」

と、平野が軽く答えて、平野は剣二の前に座った。

「お前こっちに座れ」

と、航に言われた秀人が、悦子の前の席に座ることとなり、航は悠一の前に座った。

「さあさあ、皆揃ったわね」

唐揚げの大皿を運んで悦子が居間に入ってきた。

「会長、ここに座ってください」

大皿を受け取ってテーブルに置きながら、剣二が横の席を顎で示した。

「まぁ、端っこでいいのに」

と言いつつ、嬉しそうな顔で悦子は、エプロンを外し、剣二と悠一の間に座った。
< 25 / 209 >

この作品をシェア

pagetop