好きって言っちゃえ
舞は、テーブルの所々に冷えたビールを置きながら、立ち尽くしてる男たちに言った。すると、空かさず、剣二が上座の真ん中辺りを指さした。
「そうだな。とりあえず、会長に、ここに座ってもらうことにすると、こっち隣りが俺で、そっちがチーフだな。ま、後は、向こう側にテキトーに座ってくれ」
剣二が最初に座ると、
「うぃっす」
と、平野が軽く答えて、平野は剣二の前に座った。
「お前こっちに座れ」
と、航に言われた秀人が、悦子の前の席に座ることとなり、航は悠一の前に座った。
「さあさあ、皆揃ったわね」
唐揚げの大皿を運んで悦子が居間に入ってきた。
「会長、ここに座ってください」
大皿を受け取ってテーブルに置きながら、剣二が横の席を顎で示した。
「まぁ、端っこでいいのに」
と言いつつ、嬉しそうな顔で悦子は、エプロンを外し、剣二と悠一の間に座った。