夜闇に咲く

紛いの光

「うぁ〜……ねむぃ……」

「太刀川ぁぁあ!!どこいってたんだ!!」
「川辺です」


……
屯所につくにいなや彼らは僕を土方さんのもとに連れていったのだ

なんてやつらだ……


土方さんは僕が反省する気のないのをはぁ、とため息を1つついて流してくれた


「明日は刀を新調してこい今日は早めに寝床についておけ」



「……あ、ありがとうございます」





土方さんの部屋を出て今日から寝なければいけない総司の部屋へと足を向けた




「……ふぅ、もう総司寝たかな」





スッ───






「あ」
「遅かったね、」



「まだ、起きてたんだね」



襖を開けると、刀を手入れしている総司がいた

総司の隣に敷いてあった布団に腰を下ろす





「この布団、総司がひいてくれたの?」





「……あぁ、感謝してよね」




刀を手入れしながらぶっきらぼうに言う総司が可愛く見えた






「あ、僕も刀の手入れを……」

「まって、君刀なんて持ってた?」






「うん短刀だけど……さっきね」


シャキッ



懐から護り刀を出して刀身を出す





「さっき……?なにかに使ったの?」


総司は目を光らせて聞いてきた




し、し、しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあ








「いや、あのね!ツカッテナイヨ!!」

日和は焦りから片言になってしまった




「じゃあなんで」



そこまで言われて日和は背中を嫌な汗が通った

しまった、血を拭うのを忘れてたとか!?



「そんなに刃がかけてるんだ、折れたら治せないかもしれないんだよ?」









血、が、付いていない……?





「そこまでいくと僕らの手じゃできないね、今まで手入れを一度もしてなかったの?……まったく、明日は土方さんに頼んで鍛冶場に行かせてもらおう」


「あ、えと、それなら大丈夫」







総司はなんだかんだ言って僕に構ってくれた
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