地味子さんの恋愛事情
「――ちょっ…しゃちょ、あの…」

唇が離れたのと同時に抗議をした私に、
「家では“竜馬”って呼ぶ約束でしょ?」

トンと、竜馬の人差し指が私の唇に触れた。

「――そ、そんな約束…」

聞いていないと言いかけた私の言葉をさえぎるように、竜馬の唇がまた触れた。

「でも“社長”って呼ばれるのも悪くないかも。

何かイケないことをしてるって感じがする」

竜馬はニヤリと形のいい紅い唇をあげた。

な、何ですか…。

あまりの変態発言ぶりに、私は絶句することしかできなかった。

ピーンポーン

タイミングよく鳴ったチャイムに、私は心の中で親指を立てた。
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