地味子さんの恋愛事情
足の踏み場もないとは、まさにこう言うことを言うんだな…。

床一面に散らばっているのは私の手に持っているものと同じ、いかがわしいDVDである。

その他にも縄とか手錠とかアイマスクとか…さすが、官能小説家である。

道具は常に常備してある…って、どうでもいいわ!

「いらないならブックオフかヤフオクに出しなさいよ、もう!」

こんなところにいつまでもいたら気が狂いそうだ。

ベッドのうえだけはキレイだったのでそこにDVDを放り投げると、部屋を後にした。

「ただいまー」

私が部屋を出たのと同時に大河が帰ってきた。

ちょうどいい、注意しよう!

早足で階段を下りて玄関へ向かうと、大河はブーツを脱いでいるところだった。
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