地味子さんの恋愛事情
な、何が起こったの…?

と言うか、やめたんじゃなかったの?

そう思った私に、奪われた唇が離れた。

竜馬はニヤリと口角をあげると、
「俺、まだあきらめてないからな」
と、言った。

「少なくとも、大河には負けないから」

ポンと、竜馬は私の頭のうえに手を置いた。

呆然としている私に、
「それで、今日のスケジュールは?」

何事もなかった様子で竜馬が聞いてきた。

「あっ、えっと…」

あきらめていないと宣言されてしまった。

しかも、大河には負けないと言われてしまった。

本当に終わったと思っていたのは、私だけだと言うことを思い知らされた。
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