恋をしよう！
それが始まったのは、２回目の授業があった放課後のことである。

「先生って、彼女いるんですか？」

今日の授業でどうしてもわからないことがあると言う荻原のために教えた後、彼女はそう聞いてきた。

「何でそんなことを聞くんだ？」

訳がわからなくて聞き返した僕に、
「えっと…先生みたいな年齢の人なら結婚はしていなくても、彼女はいるんじゃないかなって」
と、荻原は答えた。

結婚していないとは失礼な。

まあ、事実なので何も言い返すことはできない。

「妻もいなければ彼女もいないよ。

で、荻原はどうしてそんなことが知りたいんだ？」

荻原の質問に答えると、僕はまた彼女に質問をした。

すると、
「先生の彼女に立候補しようかなって」

ピンクの唇が動いて、音を発した。
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