恋をしよう!
「先生、この応用問題がどうしても解けないんですけど」

S高校に赴任して、今日で2週間を迎えた。

荻原のクラスである3年6組の数学の授業がある日、彼女は放課後に数学準備室を訪ねにきては僕に授業の質問をしていた。

本当はわかっているだろ。

数学の教科書を広げてキャラクターもののシャープペンで問題を指差している荻原に、僕は心の中で呟いた。

彼女は外見だけじゃなく、中身も優秀だ。

400人いる学年の中で荻原の成績は常に30番以内に入っている。

1クラスが40人のクラスでも彼女は10番以内の常連だ。

ただし運動が苦手なのか体育の成績はあまりよろしくないが、それに関しては保健の成績でカバーをしていると言う感じだ。

一言で言うならば、僕は荻原美咲に迫られていた。
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