恋をしよう!
「さっき掃除したから閉め忘れたんだな。

すまないな、田村」

そう言った僕に、
「いえいえ」

田村は掃除道具入れに歩み寄った。

「あら、雑巾が落ちてる」

そこまでするって、どんだけまじめなんだよ。

そう思っていたら、田村が掃除道具入れのドアを閉めた。

「あっ、もうこんな時間だ。

じゃあ、あたしはこれで失礼します」

田村は会釈をすると、数学準備室のドアを開けた。

「気をつけて帰れよ」

僕が声をかけたら、
「はーい」

田村が返事をした。

「田村先輩、何しにきたんでしょうね」

田村の後ろ姿を見送ると、古川が声をかけてきた。

「さっき言っただろ、プリントを提出しにきたって」

僕は言い返した。
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