恋をしよう!
「そうなんだー、あたしも買いにきたんだー」

あすみちゃんはそう言って手に持っている福袋を見せた。

「ああ、そうなんだ…」

わたしは呟くように答えた。

正直なことを言うと、彼女とどう話をすればいいのかどうかわからなかった。

「せっかく会ったことだし、時間ある?

一緒にお昼を食べようよ!」

「えっ、あの…」

あすみちゃんに腕を引かれるまま、わたしはこの場を後にさせられた。

そうだ、あすみちゃんはこんな性格だった。

昔から話を聞かないで、すぐにどこかへと引っ張り出す人だった。

あすみちゃんに連行されるようにして入られたところは、パスタ店である。

何でこんなことになっちゃったのかな…。

そう思ってい気を吐きたくなった時、
「ねえ、美咲ちゃんはまだ演劇に興味がある?」

あすみちゃんが話しかけてきた。
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