恋をしよう！
「えっ、どうして？」

質問の意味がよくわからなくて聞き返したら、
「実はあたし、今年の春に今まで所属していた劇団から独立して新しい劇団を立ちあげることになったの。

いわゆる、自分だけの劇団ってヤツ」

あすみちゃんが答えた。

「だから、もし美咲ちゃんがまだ演劇に興味があるなら入ってくれないかなって思って」

そう言ったあすみちゃんに、
「ごめん、そう言うの本当に興味がないから」

わたしは答えた。

「えーっ、どうして？

美咲ちゃん、演技が結構上手だったじゃん。

もしかして女優だったお母さんのことを気にしてるの？

美咲ちゃんはお母さんよりも演技が上手だよ」

答えたのに、あすみちゃんはまだ話を続けている。

「わたし、今年の春は大学に進学するって決まってるから…」

「スケジュールなら美咲ちゃんにあわせてあげるから大丈夫だよ。

演技の勉強をしたいなら、ちゃんと教えてあげるし」

ダメだ、話を聞いてない…。
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