Darkness love2
その正体が分かったとき、私の涙はボロボロと零れる。


そして、もう一度タクにキスをする。


私の頭にあった違和感。


それは、タクの右手だった。


最後の力を振り絞り、私の頭に右手を回したのだ。


しかし、それは力無く私の頭を滑り落ちて行った。


タクの完全な死を感じるには充分だった。


そこから、救急車のサイレンの音が聞こえるまで、私はタクの唇から自分の唇を離さなかった。

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