恋愛成就

偽彼氏

【彼女になってよ】

という、佐久間さんからの言葉。
信じていない私は、それから神社に行くこともなかった。
全然…信じてない。
あんなこといきなり言われて、好きにさせてみせる?ありえない。
どうしても、あの人を好きになんてなれない。
無理だと思うよ。悪いけど…ね。

「…買わなかったら無いことなんだよな」

屋上でゆっくりと呟く。
紗姫も昌希くんもいなくて。1人で
彼氏といる時間て楽しいのかな…
今の私は…そんなのわからないから。
でも、日に日に考えてるのは事実だ。
何してるんだろ…ほんとに。

「…部活もないし、帰ろ」

学校を出て…すぐ。
…どうしてこいつがここにいるのか。
私にはさっぱりだった

「愛麗!お帰り」

「…なんで、いるんですか」

佐久間さんは、私に彼氏だからってそう告げた。
クラスの人もいる中で…そう言われた。
周りの子は、七彩さんに彼氏いたんだとか
いらないとか言ってたくせにとか…
ちらほら聞こえる。気にしないほうがいいだろう。
…その中で一番刺さったのは。
「七彩さんって大して可愛くないのにどうしてそんな彼氏がいるわけ?
無理やりさせたのかな…あー怖っ((笑」

…無理やりなのはこっちだっつーの!
でも、やっぱり私には彼氏は必要ない。
というか、いてはいけないかもしれない。

「愛麗、そんな言葉なんて気にすんな。俺が好きでお前に会いに来たわけだから。な?」

「…そーですか。」

学校に来るのだけは…やめていただきたい。
みんなの視線が痛いから。
なんか、嫌な予感がするんだよね…
学校いって…嫌なこと。

「愛麗、まさかいじめられてないよな」

「違います。いきなり佐久間さんが来たからですよ」

「それは、ごめん。でも、全然会ってくれないから」

会ってくれない…か。
好きとか嫌いとか分からないから…
そんな事言われて無理でしょ?
でも、校門で言われた言葉…結構きつかったんだな私。
手を握られているだけなのに。うん。
何か、ホッとしてる自分がいた。
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