そのキスで教えてほしい
「……どうして私を構うんですか? キスも……どうしてしたの?」

見惚れたまま、ぼうっとした意識でそんなことを呟いていた。

この気持ち、どうしよう。
ため息を吐こうと、視線をはずしたとき。

視界の端で崎坂さんの腕が動いて、驚いている間に私の後頭部に手がまわった。

「……鈴沢」

上体を少しだけ起こした崎坂さんが私の頭を軽く引き寄せた。

「どうしてキスしたと思う?」

近い距離でしっとりと囁くように訊かれ、体の奥が甘くうずく。

先程の言葉を聞かれていた羞恥がじわじわと頬を熱くしていく。
じっと私を見つめてくる崎坂さんの瞳にどうにかなってしまいそう。

そのまま彼は目を細め、視線を私の唇にうつす。

「なあ……どう思う?」

誘うような囁きにしびれた。

うまく考えられない。
私のことをからかっているんじゃないの?
それは、ずっと思っていること。

彼の惑わすような囁きに答えていいのだろうか。
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