ガラクタバンド
美穂はキーボードの前に立ち、涼はドラムの位置を調整し始める。
私はギターを取り出し、森岡さんはマイクのスイッチを入れる。
梶野はベースを鳴らし、『粉雪』が始まった。


ジャーン!


息もぴったり☆


…といきたい所だが、途中からテンポが合わなくなってきていた。

「イマイチだったね、今回。」
涼が呟く。

「あ、でも!薫君うまいじゃん?すごい♪」

「皆の演奏のほうがすごいよ?」

薫君は私達を褒めてくれている。

「ありがとう。嬉しいよ!」


そんな感じでバンドは始まった。


今は、6月なので窓の外は、しとしと雨が降っている。
秋の文化祭に向けて私達のバンドは本格的に練習していく。

「そういや、バンド名って何?」

薫君が私達に尋ねる。
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop