私の嘘を完成させて

部屋に戻り速攻尚人さんに
メールを送る。

【バカ】

送信。

メールの返事ではなく
速攻電話がかかってきたけど無視。

とりあえず隣人には
会わないように気を付けよう。

きっと大学生とかだろう。

童顔の可愛い男の子もいたけど
後輩って雰囲気でもなさそうだし。

特にあの彷徨って男はどうも苦手だ。
美形のくせして恐怖を覚えさせるその声。

大丈夫。
決めたじゃない。

心の中で言い聞かせる。

一週間後には新しい学校。

段ボールを漁って
新しい制服を出す。

ハンガーにかけてその制服を見つめる。


「…あと1年」

静かなカウントダウンが始まった。

< 15 / 402 >

この作品をシェア

pagetop