旦那様は、イジワル御曹司~華麗なる政略結婚!~

***


――仲直りは苦手な方じゃない。

調子に乗って時々言い過ぎちゃう自分の性格は自覚してるので、そこは反省してパパッと謝罪を口にすることも弁えている。

けど、今回のようなガチの喧嘩はさすがにちょっとやっかいだ。時間も経ってるし、気まずくならないようにどう仲直りしようなんて、私なりにアレコレと頭を悩ませていたけれど。


「……これ、颯から?」

「はい。今日のためにと、颯さまから真奈美さまへの贈り物だそうです」

会食当日。颯の帰宅より数時間ほど早く私の元に届いたのはリボンのかかった幾つかの箱だった。

一番大きな箱を開けてみれば、出てきたのは一着のカクテルドレス。

光沢がハンパない高級感を漂わせるシルクで、スカートのたっぷりとしたドレープとボルドーカラーの艶やかさがとても大人っぽい。けれど背中にはビジューを飾ったバックリボンが付いていて、可愛らしさも兼ね備えてる。

そして次に大きな箱にはドレスに合わせたピンクベージュのパンプスが入っており、残る箱のリボンを解けば、大ぶりなピンクダイヤの首飾りとお揃いのイヤリングがケースに入っていた。
 
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