【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち



当然ながら翌日はとてつもなく早く目が覚めた。


いつの間にか真ん中は私になっていて隼がしっかりと抱きしめてくれていた。



もしかすると、また前のように魘されたりする事を心配してくれているのかもしれない。その度に隼はいつもこうやって私を包み込んでくれた。



「隼、ありがとう。お蔭でぐっすり眠れたよ」


眠る隼の頬にチュッとキスをすると静かに起き上がった。




食堂へ行き久しぶりに渡辺さんたちの手伝いをした。



子どもが生まれてからほとんどお手伝いをする事がなくいつも申し訳なかったからだ。



2階のキッチンは週末は大活躍だが、こちらでお世話になる方が多い。




「私、昨日すぐに寝ちゃったんだけど平良さんのその後の様子わかりますか?」



「あぁ。植木さんが戻って落ち着いてると言っておいででした」



渡辺さんがお味噌汁に入れるお豆腐を切りながら教えてくれた。



「遠山さんと奥野さんもまだいらっしゃる?」


「へい。病院に寄って顔を見てからお帰りになるそうでごぜぇやすよ」


やっぱり無事な顔が見たいもんなんだよなぁと思いながらある事に気づいた。




「あれ、今日テレビつけてないのね」


「えぇ」


いつもは厨房にある小型テレビを見ている渡辺さんが静かな厨房で組員さんたちと朝食の準備をしている。



「ひょっとして…私も最近は勘が鋭いのよ」


人差し指を立てて話す私を見ると


「それが心配の種でもありやすね」


「人の親になったのよ。やんちゃはしないって」


出来ればそう願いたいと渡辺さんや組員さんに言われながらポチッとテレビの電源を入れると昨日の事件の報道がされていた。





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