【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
花開き実を結び


本格的な寒さがやってきた。


子どもは風の子だとは本当だ。



菫に付き合う組員さんたちが気の毒になってしまうほど外で遊ぶ。


縄跳びしてるとあっという間に身体が熱くなるんで平気だとか


お蔭で身体が引き締まったとか


当時より出来るようになったとか


誰も嫌だと言わないから申し訳なくなる。




本当に心から申し訳ないと思うのだけれど


私と由香里さんは家の中でぬくぬくを楽しむ。



「冷えるとあったまらないのよ」


「わかります。家の中でもカイロ貼ってる」


背中をめくって見せると由香里さんも見せてくれた。



冬の間中、外に出なくてもいい。

冬眠とはいいシステムだなんて話していたけれど隼から電話が来た。



イルミネーションが綺麗だから今夜見に行くかというお誘いだ。


外の寒さを忘れて


「行く!」


ひとつ返事をした。



外で二人で飯を食おうなんていう言葉に完全に有頂天。


電話を切ってから



「ママ、子どもたちお願いしてもいいですか」


「あんた寒いのに出かける気になったんだ」


「あ…そうじゃん。いやでもやっぱり行きたい」


楽しんでおいでと由香里さんは快くひきうけてくれたので急いで部屋に戻ると着替えをした。




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