【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
少しすると襖が開き菫が私の姿を見ると勢いよく走ってきて抱き付いた。
その途端
「ママごめんなさい」
そして大泣きを始めた。
「大事な身体に落書きしてごめんなさい」
「植木さんとお話ししてもうわかったんでしょ?それならもういいよ」
「もうしない」
「うん。ちゃんとお話し出来て偉かったね」
ふき取ってもらったが薄らと残るサインペンの痕
「こりゃ立派なもんだ」
司は笑い
クレンジングクリームできれいにしてあげると由香里さんは声をかけ
「菫ちゃん、菫ちゃんを心配する人がパパやママだけじゃなくていっぱいいる事を忘れないでね」
明日実さんに頭を撫でてもらい少しずつ菫は泣き止んでいった。
「菫おいで」
泣き止んだところで司が菫を抱いた。
「菫、ばーばにキレイにしてもらってて。ママは桐生さん助けてくる」
菫と入れ替わりで桐生さんが和室へと入っていく姿が目に入ったからだ。
「あんた菫は助けないで桐生は助けるのかい」
「だって桐生さんは悪くないもの」
「まま、きーたん」
「わかってる。ばーばの部屋にいてね」
桐生さんを助けると聞いた菫は、自分のした事の大きさがわかったようだ。