【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


私は急いで和室に戻ると


「すみません。失礼します」


声をかけ中へ入り先程と同じように植木さんの前へ行き桐生さんの隣へと正座した。




「植木さん、本当にすみません。私の注意不足です。桐生さんは何も悪くないのでどうか桐生さんを叱らないでください」



「いや結衣さん、あっしがトイレに行くときに誰かに頼めばよかったんです」


「違うから。好奇心からなので遅かれ早かれいつかは描いたと思うんです。私でもトイレに行く間ぐらい家の中じゃ1人で絵を描かせておきますよ」




「結衣さん、桐生を叱るのは菫ちゃんが落書きしたからじゃねぇんですよ。ちょっとした隙に問題が起きるんでごぜぇやすよ。大丈夫だろうという過信が危険を招くんでごぜぇやす」




「へい。大事なお嬢さんを任せていただきながら本当に申し訳ございやせん」



「いやいやいや、お願いですから桐生さんへのお叱りはもうこのへんでお許し下さい。


菫も今、自分のした事で桐生さんが叱られているのを知って反省してる事でしょう。


大人の私も何度自分の行動で三浦さんや植木さんに心配やご迷惑をおかけしたかわからないぐらいなんです。



そうやってお互い絆を深めていくんだと思うんです。失敗しながらです。未だに三浦さんは大変なのにまして何するかわからない菫相手なので、桐生さんの苦労を思うと申し訳なくて」




植木さんは大きなため息を零したあと



これ以上言うとあっしが結衣さんと菫ちゃんに恨まれると笑って叱る事をやめてくれた。



「桐生さん本当にごめんなさい」


「いえ結衣さんお詫びするのは自分の方でごぜぇやす。申し訳ございやせんでした」


「桐生、結衣さん付だったらこんなもんじゃねぇぞ。もっとやんちゃなさるんだからな」


「ちょっと」


「へい。それはよくわかっておりやす」


「桐生さんってば」




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