【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


隼が帰宅するという連絡が入り今日は隼もいつもよりずっと早い帰宅だ。


当然ながら響さんも一緒だろう。


私は出迎えの為に部屋を後にした。


「まだ出迎えしてんだ」


貴裕さんの笑う声が聞こえたけれど


これしか私の仕事がないんだって。


廊下を急ぎながら藤堂組での私の役割の少なさは嘆かわしいと思った。



玄関の少し手前で桐生さんと手を繋いで歩く菫の姿が目に入った。



菫も隼の迎えに出ることもあるが今日は菫なりに大仕事があるのだろう。


菫たちに続きサンダルに履き替え玄関の外へ立つと



ほどなくして門が開き響さんの車と隼の車が入ってきた。



私は後ろを振り返って確認しなくてもそこに三浦さんがいる事がわかる。



だから


「菫ちゃんは、どんなに気がせいても車が止まるまでそばに走って行かねぇでごせぇやしょ」


まるで私への注意のような笑いを含んだ声が聞こえてきても驚かない。



「躾がいいんです」


「へい」


笑いながら止まった車へと桐生さんの手を離し駆け寄る菫の姿を目で追った。






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