【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
私と春香さんのスマホも鳴る事がない。
子どもたちは問題ないという事だ。
「トイレに行ってくる」
「1人で平気か」
「ついていけよ」
「ちょっと、何、結衣ちゃんはトイレまで付き添いがいるの?」
「結衣はここのトイレで怪我したのよ」
「え?便座が高いとか?落ちちゃったの?」
「明日実さん何気でひどいね。私がちっさいって?」
う~久しぶりとか言いながら春香さんは足をバタつかせ
大和さんもワクワク顔
「いや、いやそうじゃなくて」
慌てふためく明日実さん。
「結衣のことちっさいってよ」
「ちっさい言った?」
「「「「言ってません言ってません」」」
「何それ~」
明日実さんは大笑いだ。
「極道の姐さんを舐めてもらっちゃ困るわ」
夫とその友人と飲んでいて何が悪いなんて強気でドアをあけたけれど
視線は感じるとやっぱり怯む。
だって、私に万が一の事があったらと思うとその顛末があまりに恐ろしいからだ。
私の事を気にも留めないでくれるのが一番有難い。