籠のなかの小鳥は
「はっ、赤の宮様にお出しした、茄子の翡翠仕立てでございました。

朱塗りの漆に金珀で細工をほどこしてある皿で。赤の宮様のみがお使いになる皿でございます。
毒はその金の部分に塗られており、気づくことができず・・・

ご存知のように、漆は水気を嫌います。一度使われた皿は、洗ったのち三人がかりで拭き磨きあげるのでございます。

料理を盛る前に水にくぐらせると、あの光沢が失われてしまいます。

それがこのような事態を・・・まことに・・まことに・・・」



下手人を探したのは、青波(と青龍)だ。
「僕は誠実じゃないから、嘘をついているやつって、分かるんだよね、なんとなく」


追求に、舌を噛んで死んだ男がいた。

「毒を皿に仕込んだのはそいつだろうけど。命じられてやっただけで、もちろん黒幕は別にいる。
吐かされる前に、死んだ。正体を明かせば、死ぬより恐ろしい目にあう相手ってわけだ」


死んだ男は、親の代から大膳職で働いており、身上に怪しいところはまるでないという。
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