籠のなかの小鳥は
「はぁっ・・・」


息を切らして、ぶ厚い木の扉にもたれかかるように、押し開ける。
ギィィ・・・蝶番が鈍い音をたてて軋む。

教会堂。
よろめきながら足を踏み入れる。


静かだ。誰もいない。響くのは、自分の足音のみ。外の喧噪も、ここまでは届かない。

硬い木のベンチが両脇にならぶ中、歩を進める。


眼前には祭壇がしつらえられ、その上には大きな円形のステンドグラスがはめ込まれている。

ステンドグラスを通して、彩色された陽が、堂内に恵みのように降りかかる。

いつもと変わらない、美しく厳かなその光に、小鳥は足を止めて見入る。
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