小さな部屋
絶縁
「お前、明日から、悠真の家に泊まれよ。」

夏の雨の降る夜。
ダブルのベッドの中で呟いた、功の言葉は私への絶縁を意味していた。

もう、私なんかを養う余裕はないのだろう。

それでも、負担をかけないように自分に出来る最低限のことは頑張って来た。

学校を休んでまでバイトに励んだ日もあった。

むしろ、それが彼のプライドを傷つけてしまったのだろうか。

彼は、私のたった一人の家族だった。

不器用だけれど、本当に頼りに出来る兄だった。

明日からそんな兄と離れるなんて、
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