普通なお嬢様の極秘恋愛
「まぁまぁ。
あ、じゃあ明日はわたしが凛ちゃんの家に行っても良いかな?

それなら大丈夫でしょ?」

「おっ! さすが佐藤!
それなら問題ないわな」

「えー、安達君に褒められても……ねぇ」

「なんだと佐藤!
褒め損だっ! 前後撤回だっ!」

「ふふっ」

いつだったか聞いたような会話に、思わず笑が漏れる。

「ん? どうかした?」

二人揃ってじっとわたしを見つめている。

「……凛ちゃんの笑顔見たの、水着買いに行ったとき以来だなって」

「やっぱり凛は笑ってた方が良い。
大丈夫、凛がいつでも笑えるように、傍にいてやるから」

「二人とも……」

二人の優しさが嬉しくなって、じんわりと胸が暖かくなった。
< 374 / 428 >

この作品をシェア

pagetop