普通なお嬢様の極秘恋愛
翌日、約束通り花歩ちゃんがやって来て、一緒に部屋でお喋りをして過ごした。

全てを話し終えてすっきりしたわたしは、花歩ちゃんに丁寧にお礼を言った。
何一つ解決していないけど、話しを聞いてもらえるだけで嬉しい。

そう、何一つ、解決なんかしていない。

翔護のことも、家族のことも。

婚約話しも。
車通学をやめたいことも。
専用のボディーガード廃止も。
将来のことも。

翔護の頑張りがあって、自由にしてくれるって話しになったはずだけど……。

あのお父様が、素直に翔護の言う事を聞くのだろうか?

お父様とは、あれ以来会っていない。
お母さんとも話していない。
何がどうなっているのか、何一つ分からない。

家族の状況は、ちょっと普通ではない。
……もう慣れたけどね。

もやもやしながらも、できるだけ周囲に心配をかけないようにと残りの夏休みを過ごした。
そうなると必然的に、出かけることが少なくなり、お屋敷の中で過ごす割合が大半を占めた。
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