雨恋~芸能人の君に恋して~
ストーブの上には、湯気が立ち上るやかんがあって、俺の額には濡れたハンカチがあった。
きっと、ずっと看病してくれたんだろう。
疲れきって眠る、琉宇ちゃんの頭をそっと撫でる。
「ありがとう」
こうして無防備に眠る琉宇ちゃんを見ていると、愛しさが込み上げる。
スタッフやマネージャーと離れ離れになって、こんな山の中なのに、邪な感情が込み上げる。
眠る彼女に、手を出すなんて卑怯だ。
そう思うのに、感情が止まらない。
琉宇ちゃんの唇に、顔を近づける。
心地いい寝息をふさぐように、柔らかい唇にキスをした。
「ん?」
その瞬間、琉宇ちゃんが瞼を開けた。
驚いて目を見開く琉宇ちゃんに、感情は止まるどころか、ますます溢れ出して。
何度も奪うようにキスをした。